Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩

とはいえ男の人のお家に訪問するのは初めてでおっかなびっくり中に入り、開けっぱなしたカーテンの先の景色を見て唖然とする。

私が窓にへばりついていると後ろで憮然とした声がした。


「言っとくけどストーカーとかじゃないからな。大体、コッチに移住してきた時から俺はこの部屋で、後から越してきたのはオマエ等だ。」


幾つかの通りや幾つかの建物を隔て、ついでに川まで挟んでいるけれど薄暮にくっきり浮かぶ建物は見紛う事無き今私と悠里が住んでるマンション。

ご近所さん、という程じゃないにしても互いの部屋がちょっと高い階にあるものだから、部屋の存在はばっちり確認出来る。

まさか木戸さんとこんな近くで生活してるなんて思わなかったぁ……。

部屋の明かりは点いてなくて…悠里もまだ帰ってないみたい。

会いたい。

だけど会いたくない。

どうしたらいいか分からない。

だけど…

一緒にいたい。



「…さて―――」


徐に呟かれた声に、身構える。

悠里の事…どうするべきか、話し合うのかな。

考えなきゃいけないのは分かってるんだけど、まだ思考が付いて行かなくて、どうしたらいいか分からないんだもん―――



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