Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
呆れと非難の混じった声で問われて、僕の顔から笑顔が消える。
「…何の事ですか?」
「オマエのネーチャン、今日仕事を休んだらしいな。」
「……何故それを貴方が知ってるんです?」
「記憶が無いオマエは知らないだろうが、オマエのネーチャンの職場に俺の知り合いがいる。しかも連絡を入れたのはオマエらしいじゃないか。オマエはネーチャンが元気な筈ないのを知っていて何故嘘を吐く。」
「あぁ…そんな事。心配される程大した事でもないからですよ。」
「侮るな。」
須藤がふんっと鼻で笑う。
「大した事じゃなかろうが、あろうが、オマエがネーチャンに何かあってそれほど平静でいられる訳が無い。俺が今までそれをどれだけ苦労して宥めてきたと思ってる。」
……一体どんな男だ、柏木悠里。
須藤の話を聞けば聞くほど他で聞く話とは乖離して、若干混乱。
寧ろ不信感が募るかつての自分って。
須藤が鋭い双眸を眇める。
「オマエが今冷静でいられるのは、ネーチャンが病気などじゃないからだ。だとしたらオマエが何かしたとしか考えられない。」
誤魔化しを許さぬ視線。
…ああ、全く出しぬけないな。
僕は溜息を吐いて肩から力を抜いた。
負けを認めるように。
こんな事なら潔くサボればよかった。
彼を誤魔化すためにこうして会社にまで来たのに、とんだ無駄骨だったみたいだ。
「……って、オマエまさか法に触れるような事までしてナイだろうな。」
「してませんよ。………ああ、姉を犯す事が違法なら大罪は侵しましたね。」
さらり、と…
聞き流せなかったそれに須藤が眉を跳ねあげた。