Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩

殺気とも言える禍々しいオーラに私は慌てて悠里に必死にしがみ付く。


「ま、待って!私ならダイジョーブだったんからっ!!」


多分、久寿軒さんだって本気で私を車道に突き飛ばそうとした訳じゃないの。

想像外にバックがクリーンヒットして、思いの外私が調子よく吹っ飛んだだけで。

そりゃ反省してもらいたい事もあるけど、悠里を犯罪に駆り立てる程じゃないと思うの。

というか、それは絶対アウトだからっ!!

私の声に我を取り戻した悠里は「でも…」と眉を寄せた顔で私を見詰める。

も、もう一押し!


「そ、それより私、早く帰りたいな~なんて?今すぐにでも!!」


そう言って私が立ち上がれば、しがみ付いていた悠里も必然立ち上がる。

彼女と悠里を引き離す事に必死だった私は気が付かなかった。

私に手を引かれて歩き出した悠里が久寿軒さんにだけに伝わるように告げた言葉を―――…








『 許 さ な い 』







後日。

私が知る由も無い事だけど―――…



公道で突然始まった女子同士の激しい喧嘩はかなり目立っていたらしく、その場に居合わせた野次馬が興味本位で動画を撮っていたらしい。

それがネットにupされ、炎上した。

一方的に相手を殴りつけ、車道に突き飛ばした久寿軒さんは悪役扱い。

ネットをしない人にも口頭で噂が広まり、久寿軒さんは後ろ指を指される事に耐えきれず会社を辞めたそうだ。

その後暫く家に引き籠ってしまったようだけど………それからどうなったかは知る由も無い。

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