Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩

悠里を一人の男の人として好きだと、そう自覚してからも尚、私はずっと姉弟としての絆に甘えていたんだ。

悠里に弟としての自覚が無くなって、初めてそれに気が付いた。

悠里が弟じゃなくなったのなら、私は一人の女の子として、大好きな人にぶつかっていかなきゃ。

悠里とずっと一緒に居たいと願うなら、自分の手で悠里を捕まえなきゃ。

醜くても無様でも、それが恋なんだって、今更知ったの。

真っすぐ見詰める悠里の瞳が揺れる。

切なく、だけど熱っぽく。

ほんのりと気色の戻った肌が艶めいて思わず意識が奪われる。

悠里は私を見詰めたまま、重ねていた私の手を覆い優しく強く握りしめた。


「聞いて、姉さん……」

「うん。」

「僕は貴女を愛してた記憶をなくしました。狂おしい程愛した筈なのに、何一つ。」

「…うん。」

「この先、また記憶を失くす可能性も全くない訳じゃありません。」

「……うん。」


でも―――…、そう言った悠里は真っすぐに言った。



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