Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩

その時、悠里が突然動いた。

そりゃもう光速の早さで。


「あ。もしもし。姉さん?え?もう最寄りの駅なんですか?意外に早かったんですね。お疲れ様です。」


嬉しそうに電話で話す悠里に三人は唖然とする。


「…俺今、音鳴ったの気付かなかったんだけど。」

「てか。あれ、本当に着信してます?いっそ幻なんじゃ……」

「や、………多分本物だろう。」


須藤の言を証明するように、突然悠里は何の未練も戸惑いも無く目の前にあった美久フィギアを一体残らず叩き潰した。

本物が戻ったからには偶像には何の興味も価値も見出せない、と言った心境だろうか。


「え~?お仕事はちゃんとやってますよ?須藤にも誰にも迷惑なんて掛けてませんって。なんてったって僕はちゃんとした大人なんですから。」


嘘吐けっっっ!!!

三人は内心で激しく突っ込む。

確かに悠里はちゃんと仕事もしたし、何をした訳でもないが、周囲は多大な被害を被ったのも偽らざる事実。

通話を終えた悠里はニッコリいつもの魅力的な笑顔で三人の前に立った。

あ。いつの間にかデスクには粘土の残骸どころか全てが綺麗に片づけられている。

しかも鞄もちゃっかり持っている。


「一身上の都合により早退させていただきます。」

「「「……うん。それがイイよ……」」」


三人は呆れつつも快くサボりを許可した。



< 302 / 333 >

この作品をシェア

pagetop