Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
ドクン、と胸の奥で鋭く何かが疼く。
先へ進まなきゃという焦燥と、置き去りの靴。
すっと世間が遠のいたと思ったら、次の瞬間には温かな茜色に染まった。
靴を手に下から僕を見上げる美久の顔。
これは式前の光景?
―――違う。
だって美久は相変わらず僕の胸を鷲掴む程可愛いけれど、髪も短くて少し幼くて。
『ほら。かえろ。』
そう言ったふにゃりと笑った顔に心臓が一際大きな音をたてた。
苦しくて、切なくて……、甘く、愛おしい。