Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩

☩ ☩ ☩

☩side美久☩



式から拉致された私は現在二階堂さんと礼拝堂の裏にある小さな池のほとりで隠れていた。

さっきっから近くを走り回る人の足音が行ったり来たりしていて、その度に私が声を上げないように口を塞がれたりして…ともかく茂みの影なので今のところ見つからずじまい。

ああ……きっとみんな心配して探してくれてるんだろうな。

そんな足音もやがて聞こえなくなった。


「手荒な真似をしてしまって申し訳ない、お嬢さん。」


辺りが静かになると二階堂さんはそっと手を放し、ジェントルマンらしく私から少し離れた所でちんまりと三角座りしている。

冷静を取り戻した二階堂さんはとんだ事件を引き起こした自分にどっぷり自己嫌悪しているよう。

……根はあくまでも紳士なんだね、二階堂さん。

そんな二階堂さんが悠里にだけはあんなに激しいアレルギー反応を示すというだから、一体どんな事があったのか。

気になるっ。


「あのう…悠里とは昔一体何があったんですか?」


悠里だって人に恨みを買うような子じゃないんだけどな。

二階堂さんは凪いだ水面を見詰めながらぽつぽつと話しだした。



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