Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
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はっと気がつくと辺りはうっすら暗くなっていた。
先輩と別れてから考え事をしていて随分時間が経ってしまったみたい。
頭の中で繰り返されるのは先輩との会話。
『…悠里に気を付けろって…どういうコトですか?』
悠里は優しい。
いつだって私を大事に思って優先してくれる。
そんな悠里に気を付けろって、どういうコト?
訪ねれば先輩は困ったような顔で頭を掻いた。
『後で気づいた事だけど、当時俺に柏木に彼氏がいるって言ったヤツな…彼氏じゃないって知ってたハズなんだよ。柏木達と同じ地元だから。』
『…へ?で、でも…』
『二人を目撃した日も今にして思えば結構強引にダチに連れ出されたけど、そいつの妹が柏木の弟と同じ歳だし、どこかで接点がナイとは言い切れない。』
『や、でも…あの…』
先輩は何が言いたいの?
それじゃまるで悠里が……
『十中八九、柏木の恋愛潰してるのは柏木の弟だと思う。』
『そんな事…………ナイと思います!』
だって悠里はいつだって私の幸せを願ってくれている。
恋をすれば応援してくれる。
今だって木戸さんとのお付き合いを反対された事なんてないし。