【短編】友達彼氏





傘の柄を握る、牧瀬の手首を掴む。
思ってたよりしっかりとしてる。
固くて、暖かくて。



「・・・成美ちゃん?」


「・・・・・・」


「あ、の・・・こんなこと言うの、超、恥ずかしいんだけどさ」


「・・・・・・」


「もしかしてオレのこと・・・」


「・・・・・・」


「いや、でも、それはさすがにないか」


「何で?」


「えっ?」


「何でないって言い切れるの?」



手が、微かに震えてる。
私のかもしれないし、牧瀬のかもしれない。
もしくは、両方かもしれない。
そんなことは、分からなくたって、もうどうでもいい。

だけど、牧瀬のことは、どうでもいいなんて思わない。



「私も、牧瀬と同じこと、考えてるよ」






< 27 / 52 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop