【短編】友達彼氏
傘の柄を握る、牧瀬の手首を掴む。
思ってたよりしっかりとしてる。
固くて、暖かくて。
「・・・成美ちゃん?」
「・・・・・・」
「あ、の・・・こんなこと言うの、超、恥ずかしいんだけどさ」
「・・・・・・」
「もしかしてオレのこと・・・」
「・・・・・・」
「いや、でも、それはさすがにないか」
「何で?」
「えっ?」
「何でないって言い切れるの?」
手が、微かに震えてる。
私のかもしれないし、牧瀬のかもしれない。
もしくは、両方かもしれない。
そんなことは、分からなくたって、もうどうでもいい。
だけど、牧瀬のことは、どうでもいいなんて思わない。
「私も、牧瀬と同じこと、考えてるよ」