もう、明日がないなら…
エピローグ
 白を基調とした室内の窓辺には、ピンクのバラが飾られていた。陽の光を浴びて、より一層鮮やかに輝くその花は、生き生きとしていた。

「あら、起きてたのね」

「おはよう、美沙」

 ベッドを起こし、本を読んでいた雅臣は、洗濯物を屋上に干し終えて病室に戻ってきた彼女を見ると、笑顔になっていた。そしてパタンと本を閉じ、それをサイドボードに乗せると、彼はベッドを降りた。

「今日は天気がいいね。散歩でもしようか」

 彼はそう告げると、左手を差し出した。美沙は小さくうなずき、その手をぎゅっと握る。二人はゆっくりと歩き出し、病室を後にした。

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