瑠璃一味のお戯れな学園生活
そんな二人の耳に。

「咲花ちん」

野菊が呟く。

「聞こえる?」

「…はい」

隣で頷く咲花。

ピチョン、ピチョン。

それは、滴が滴る音だった。

水を張った洗面器の中に、蛇口から垂れた水滴が落ちるような音。

規則的に聞こえてくる滴の音は、比較的近くから聞こえてくるようだった。

近くに水場があるのか?

音を頼りに、野菊達は暗い廊下を進んでいく。

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