男になりたい女と女嫌いな男


教室が静まりかえっていたせいか、小さい声だったが俺の声は教室中に響いた。



しばらくぽかーんとしていた友季が、ははっと小さく笑い始めた。


「あはは、あんたバッカじゃないの?カッコつけちゃってなんのつもり?
ほんっと、純って男みたい」



友季はしばらく笑い続けていたが無表情の俺を見て、ふっと笑いやんだ。


「なによ、どうせ女のくせに。バカ女。」


「友季・・・あんた俺をいじめてなにがおもしろいの?
お前のために言う、さっさとやめろ」


「わたしのため?変なこと言ってんじゃねぇよ!この男気取りの女!!」


友季の拳が振り上げられる。


・・・殴られる


そう覚悟した瞬間。


「やめろ」


誰かが友季の腕をつかんでいた。



< 76 / 97 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop