生まれたての放課後。







「おはよう、宏くん」

「茶倉。おはよ」




当たり前のようにあいさつを交わすようになって、勉強も教えあえるようになって。



わたしたちは、数日で打ち解けた。



なんたってあの渡辺宏だから。

宏くんがこんなに人気なのがよく分かるくらい、宏くんはとても馴染みやすかった。



それに爽やかだし男子からも女子からも好かれるし、なんだろう。
カリスマオーラ、っていうのがある。




「冬だよなあ……」

「冬だねぇ」




窓の外を眺める宏くんは、しみじみ眠たそうにつぶやいた。


いちばん窓側の席だから、窓の外がよく見えるらしい。


宏くんは、寒いの苦手そうだなあ。なんとなく。






< 6 / 30 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop