Bussiness Trip
歩き回っているうちに、裏通りに出ていた。
色とりどりのネオンがまたたく、そういう筋。
「おい、ここはまずいぞ、引き返そう」
「あ…」
ネオンの意味に気づいた雪乃が言葉をなくす。
「もう乾いてきたし」と言いつつ、「へっくしょん」くしゃみが抑えられなかった。
「嘘ばっかり。こうなったら、仕方ないから、どこかに入ろう」
「いや、それはいくらなんでも」
「着替えてすぐ出ればいいよ」
「いや、そういう問題じゃない」
「つべこべ言わない!」
雪乃は強引に腕をつかんで、一番手前のいわゆるラブホに入っていく。
「おい、待てよ」
慌てて、腕を引き戻そうとしたが、雪乃はもうドアーをくぐっていた。
「まじかよ」