マサハルさん
焦るマサハルさんに、とりあえず身の回りの整理をさせ、鍋に水を張る。
パスタだ。
麺を茹で、レトルトのソースをかけるだけの簡単なもの。
しかし、そのレトルトのパックでさえ、別鍋で温めるのが今日は面倒で、パスタが揺れる鍋に、そのまま放り込んだ。
ジャージに着替えたマサハルさんがキッチンに姿を見せたとき、丁度、麺は茹で上がっていた。
僕はトングでレトルトのパックをつまみ上げてシンクに放り投げ、次に無造作に、湯切りにパスタを流し込んだ。
もうもうと上がる水蒸気の向こう、マサハルさんが申し訳なさそうな顔で立っている。
僕は席に着くように促すと、パスタを盛った皿を、マサハルさんの前へと置いた。