モントリヒト城の吸血鬼② 〜望まれざる来訪者〜

女王の喪が明けて
ようやく新鮮な血を
味わいに行けるというのに、
朔夜の頭の中は
沙羅の心配ばかりだ。

とにかく、必要な食事を
終えたら、早く沙羅の
ところに戻らなくては。

彼女の機嫌を直す方法を
思いついたわけでも
なかったが、それでも
早く戻りたい。


そんなことを考えながら、
先日シプレに指定された
時間にメリッサの
私室を訪れた。

娼館での様子と変わらず、
メリッサが朔夜を迎える。

そういえば、シプレが
朔夜の正体に
気付いたのなら、
メリッサも朔夜が
吸血鬼だと知って
いるのだろうか。

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