モントリヒト城の吸血鬼② 〜望まれざる来訪者〜

「…。…今日だけですよ。
少し、用事があるので。」

かといって、はっきり
正体を知っていると
言われたわけでもないのに
自分からばらす必要はない。

知らぬ顔で返事をすると、
メリッサはそのことには
大した関心を示さず、
朔夜の首に腕を絡めた。

「ホントにぃ?…じゃあ…。」

メリッサが唇を近づける。

何をされるのか悟った
朔夜は反射的に
顔をそむけた。

「…今日だけっていうけど、
もうずっとキスはお預けねぇ。」

「は…?」

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