死神からの贈り物
頭の上にニット帽を目深に被るその下から潤む繊細な瞳が印象的で…冷たい風に晒された頬は薄紅に染まらせ首にまかれたマフラーにうずめながら人並みをすり抜け近付いてくる1人の女の子に俺は目を奪われた…。
――天使‥‥‥ってこんな感じなのか‥‥???
何百年前‥人間達が作った教会というところに描かれていた壁画を思い返し彼女を目で追う‥‥。
――ビョオオオッ‥‥。
天をつんざくようなうねりをあげ地面を払うように吹き付けた風に髪を書き上げられて足を止めた先の俺と視線が重なったのがわかった。