捨てる恋愛あれば、拾う恋愛あり。
惣介さんのことは今のところは好印象な部分が多くて嫌ではないけど……想像つかないんだもん。
って、たったの数時間しか一緒に時間を過ごしてないからそういうものなのかもしれないけど。
はぁ、と私は息をつく。
「でも大丈夫よ。琴音。直感だけど……三浦くんは変な趣味はないと思うから」
「はっ!?な、何の話してるのっ!?」
「重要でしょ?変なことさせられるの嫌でしょう?」
「へ、変なことって……」
「あら。わからないの?そうね~例えば、しば」
「!!も、もういいよ!その話は!」
どんどん深いところに入っていきそうな叔母の話を、私は無理やり止めた。
恋愛経験の殆どない私には刺激が強すぎる。
「えー。つまらないわねー」
「つまらなくないから!じゃあ、明日も仕事だし、もう帰るね!報告しに来ただけだからっ」
「今日はこのくらいにしておくわ。でも、今後もちゃんと“ほうれんそう”は忘れないようにするのよ?報告、連絡、相談!」
「……わかりました!」
「あ、もし変なことされそうになったら言いなさいよ?いつでも相談に乗るからね~」
「!!いらないっ!」
私はささっとカバンを手に取り、叔母から逃げるように玄関に向かった。