捨てる恋愛あれば、拾う恋愛あり。
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ある晴れた日曜日、私は目の前に立つ人の姿を、上から下まで舐めるように見ていた。
「……琴音さん。その目、怖いからやめてください」
「あ、すみませんっ。つい」
惣介さんの困ったような表情と声に、私は慌てて謝った。
でもやっぱり。
はじめて見る惣介さんの私服姿に目がいってしまう。
……もう少しおしゃべりをして、お互いのことを知っていこう、と惣介さんに提案されたのは、3日前に電話をしていた時のこと。
そして、まったりとおしゃべりをするならいい場所があると提案したのは私だ。
そういえば惣介さんの自宅の場所を知らないなと思いつつ、待ち合わせ場所に柚ヶ丘駅を指定した。
記念すべき第1回目のデートの日、待ち合わせ場所に時間ぴったり5分前に現れた惣介さんは、Tシャツにグレーのパーカー、そしてジーンズとすごくラフな格好だった。
説明してしまえば20文字程度に収まってしまうほどの手抜きっぽい服装なのに、不思議なことにオシャレに見える。
……黒縁メガネの効果だろうか?
そういうわけで、惣介さんを上から下まで眺めていたのだ。