捨てる恋愛あれば、拾う恋愛あり。
「じゃあ、早速琴音さんのオススメの場所に連れて行ってください!」
「はい!あ、ちょっと待ってください」
「はい?どうかしましたか?」
首を傾げる惣介さんに、私は手のひらを上に向けて、ぱっと両腕を差し出した。
「見ておわかりだと思いますが……お弁当を作ってくる、とかかわいい彼女みたいなことはしていませんので……まずはコンビニに行きましょう」
「!くくっ。はい、了解です」
おかしそうに笑ってくれた惣介さんにホッとした。
何か作った方がいいのかな?とは思ったけど、何となくやめてみた。
将来的には作ることになるとしても……今作るのはまだ抵抗があって。
それに……私は料理は得意とは言えないし、無理して作っても、って。
食べることは好きだけど、それとこれとは別だ。
私と惣介さんは数字の並ぶ名前のコンビニに入り、飲み物とかお菓子とかを買い込んだ。
ジャガイモで作られたスナック菓子とか、チョコレートが網々に編まれたお菓子など、お菓子の好みも似ていたようで、同じ商品を掴もうとしてしまった私たちは顔を合わせて笑ってしまった。