捨てる恋愛あれば、拾う恋愛あり。
*
「惣介さん。私、好きなんですよね」
私は惣介さんにコンビニで買ってきたコーヒーを渡しながら笑いかける。
「……こ、琴音さん。そんな真っ直ぐ告白されるとドキドキしてしまいますよ」
「……はい?」
「いや、主語を言わないと読者さんに通じませんよ、という話です」
「……意味がわかりません。」
私のオススメの場所、柚ヶ丘公園に到着した私たちは、持参したレジャーシートを公園の緑が見渡せる芝生の上に置き、腰を落ち着かせた。
この公園は私のお気に入りの場所の一つで、天気のいい日には足を伸ばしてここまで散歩に来るんだ。
緑や花はもちろんのこと、真ん中には大きな噴水があって、その水の音がまた心地がいい。
公園内にはカップルや老夫婦や犬の散歩をしている人、きゃっきゃと走り回る子供たちの姿。
みんなキラキラとした笑顔で、くすんでしまった私の心は癒される。
幸せそうなカップルの姿を見ているとたまに落ち込むこともあるけど、その時は緑が癒してくれる。
私と惣介さんはシートの上に買って来た飲み物やサンドイッチ、お菓子を広げて、まったりと公園を眺めながらおしゃべりを開始する。