水のない水槽
「ホントに朔乃は昔っからぼんやりよね~。お母さん、心配になっちゃうわ」


きっとお父さんに似たのね、そう言ってお母さんはのんびりと笑った。

そんなことを言っていても、わたしたちはお母さんがお父さんにベタ惚れなのを知っていて。

もうひとつ付け加えるなら、お母さんがおっちょこちょいなのも、よ~く知っている。


「お母さんに言われたくないよっ!」

「ま、憎たらしい。じゃ朔乃のデザートはナシでOK、と」

「え゛…それは……」

「お母さんは料理の天才です」

「……オカアサンハリョーリノテンサイデス」
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