彼は私を狂愛した。
「だって、俺さ魅音のこと
アイシテルンダモン♪」
「やっ…」
私は必死に慧兒の腕を振り払おうとした。
しばらくすると慧兒はパッといきなり手を離して
今度は私にゆっくりと近づいてきた。
「ヒッ…!」
やだ…こないで…!
私はジリジリと後ろに下がる。
すると慧兒は首を傾げた。
「なんで逃げるの?」
慧兒は不思議そうにそう言って一回大きくため息をつき
『まぁ、いいや…』と言って残念そうに部屋から出て行った。