【完】恋の太陽、愛の月


いつにない太陽の真剣な顔。


「俺ひなが好きなんだ」



太陽はいつも一人称が"僕"だった。

でもその時初めて自分の事を"俺"と言った。



そして、俺は動揺した。


『俺ひなが好きなんだ』



確かに太陽はこう言った。


迷いも一切なく俺にそう伝えてきた。




「・・・そう、か」


「昔からずっとひなが大好きだった」


「・・・」


「転校してからもずっと」



俺はその言葉を聞いた時思わず口に出してこう言っていた。


「じゃあどうしてひなたに連絡してやらないんだ」


本当に純粋な疑問だった。

太陽は一瞬だけ顔を曇らせてこう返してきた。



「・・・ひなを諦めようと思って」


「は?」


「だからひなからの連絡もわざと無視したり、連絡遅らせたり。自然にお互いが連絡しなくなるように・・・したんだ」


「なんでだよ。ひなたのことが好きなんだろ?」


「好きだよ」



ひなたのことが好きだと言う太陽の表情は一瞬の曇りも見せなかった。

こいつは・・・本気だ。



「なぁ咲夜」


「・・・」


「僕が転校した理由覚えてる?」


唐突な質問だった。

明らかに今聞くべき質問ではないもの。


「父親の転勤、だろ?」
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