【完】恋の太陽、愛の月
もちろん、ひなは"僕"を好きでいてくれている。
でもそれは転校する前までの"僕"。
転校してからの"僕"を好きなわけじゃない。
だから演じるしかないんだ。
・・・ひなの前で演じることは嫌いじゃない。
好きだから。
僕を好きでいてくれるなら、苦なんかじゃなかった。
そして僕は親にだって演じ続けた。
自分を隠し続けて。
そっちの方が辛かった。
苦しかった。
でも、ひなを手に入れる為にはいい子でいる必要があった。
「咲夜はいつまでも優しい咲夜のままだ。どうしてなんだよ。早く本性出せよ!!!うぜぇんだよ・・・。俺は優しい咲夜がめちゃくちゃ嫌いなんだよ!本当は心の中で俺のこと卑怯だとか思ってんじゃねぇの?だったらそれ、表に出せよ!」
「太陽落ち着けって」
「落ち着けってなんだよ。いらねぇってそういうの。・・・なぁ、言えよ。ひなが好きなんだろ?あの女もどうせひなの代わりなんだろ?」
僕は感情が高ぶっていた。
今までにないくらいに。
咲夜は一つため息をついて、近くのベンチに座った。
座れと言わんばかりに自分の隣に目線をやる。
「・・・座らねぇよ」
「分かったよ」
「・・・いいからさっさと言え」
「まずな?一つ言わせてもらう」
「・・・」
「俺は分かってる。太陽が昔と全然変わってないこと」