【完】恋の太陽、愛の月
俺なんかのために卑怯者だと悪者になる必要はない。
太陽は太陽のままで、ひなたと幸せになればいい。
明るい太陽がぼんやりとした月に負けていいはずがない。
日向は太陽があるからそこにあるように。
太陽がいるから俺の好きなひなたがいると思ってくれてもいい。
「あ・・・」
「・・・」
染谷が連れてきてくれた観覧車の一個前には、太陽とひなたが乗っていた。
気をきかして染谷は「や、やっぱり別の場所に・・・」と言ってきた。
でも俺はあえてその観覧車に乗ると言った。
「大人二人で」
「どうぞー!足元に気をつけてくださいね」
「ちょっ先生!」
染谷の腕を俺が逆に引っ張り観覧車に乗りこむ。
進行方向には太陽とひなた。
なんだか空気が、あの二人にしてはぎこちないように見えた。
「先生・・・ごめんね」
染谷のその言葉と同時に、目の前の観覧車に乗っていた二人の唇が重なった。
その瞬間俺はタガが外れたように泣き始めた。
さっきも泣いたくせに。
泣くのはみっともないと思っていたくせに。
涙を止める事はできなかった。
「先生っ!!!」
染谷はぎゅっと俺を抱きしめた。
まるで二人を見えなくしているかのように。