【完】恋の太陽、愛の月
【咲夜side】


………

……






俺は染谷に引っ張られ、なすがままになっていた。


泣き顔を女には見られたくないからトイレに行くとごまかしたけど、やっぱりバレたのかもしれない。





俺が泣くなんてめったにないことだ。

みっともない。



なのに、我慢できなかった。

染谷の前だとなんだか本当の自分が見え隠れしているような気がする。







俺はさっき太陽と話をしてきた。

太陽は俺の知らないところで闇を抱えていた。



じゃなきゃ、あんな風には変わらない。


多分家庭環境と、転校してしまったことに原因があるように思う。


でも大部分は昔の太陽と全く変わっていなかった。

本当にそう思っている。



俺がひなたを好きだと、もしあの場で肯定していたとしたら。


太陽は本当に変わってしまったかもしれない。

それを防ぐために、俺は嘘をついた。



太陽のために。


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