ヒールの折れたシンデレラ
「いいよ。話せるところまででいいから。今日はもうやめよう――」
「あの、最後まで聞いてほしい。最後まで話をさせて」
千鶴は宗治の瞳を見つめてから再度話始める。
「大事にしていた母の絵だった。私の名前の由来にもなった千羽鶴を折っている絵だったんだけど、だから自分と母とが一緒に描かれているような気がして大切にしていたの」
宗治がさすってくれる背中が温かい。
「だから私、初めて叔父に声を上げて怒った。『どうしてそんなひどいことするの』って、泣きながら。叔父さんは辛そうな顔をして謝ってくれていたのにそれでも責め続けた。それで――」
「……ん?」
「それでね、それで……そしたら叔父さん急に胸を押さえて倒れた。苦しそうな顔して。それでも私に『ごめんね』って謝りながら」
我慢していた涙がついに千鶴の瞳から零れ落ちた。
それを見た宗治は自分の胸に千鶴を抱く。
「それからも間もなくしてから、叔父も亡くなった。最後まで私に謝りながら……。私の周りにいると人がどんどん消えて行ってしまう。私がいなかったらこんな風にならなかったかもしれない。全部私がいるから……」
「あの、最後まで聞いてほしい。最後まで話をさせて」
千鶴は宗治の瞳を見つめてから再度話始める。
「大事にしていた母の絵だった。私の名前の由来にもなった千羽鶴を折っている絵だったんだけど、だから自分と母とが一緒に描かれているような気がして大切にしていたの」
宗治がさすってくれる背中が温かい。
「だから私、初めて叔父に声を上げて怒った。『どうしてそんなひどいことするの』って、泣きながら。叔父さんは辛そうな顔をして謝ってくれていたのにそれでも責め続けた。それで――」
「……ん?」
「それでね、それで……そしたら叔父さん急に胸を押さえて倒れた。苦しそうな顔して。それでも私に『ごめんね』って謝りながら」
我慢していた涙がついに千鶴の瞳から零れ落ちた。
それを見た宗治は自分の胸に千鶴を抱く。
「それからも間もなくしてから、叔父も亡くなった。最後まで私に謝りながら……。私の周りにいると人がどんどん消えて行ってしまう。私がいなかったらこんな風にならなかったかもしれない。全部私がいるから……」