ヒールの折れたシンデレラ
【瀬川千鶴様　
　
あなたの気持ちも考えずに無理なお願いをしたこと後悔しています。宗ちゃんから連絡をもらい先日三人で話をしました。

特別何かを話したわけではないですが、今まで止まっていた時間が動き出したように思います。

自分のしたことに向き合う勇気がなくあなたに頼ってしまいごめんなさい。

次は、四人でお会いしましょう　　　

葉山妃奈子】




「これ……」

手紙から顔をあげて宗治を見る。

「不安にさせてごめん」

千鶴の好きなまっすぐな視線。

「こないだ兄貴たちと会った。お互い色々思うところがあるだろうけど……。俺は前に進んでるってことを兄貴たちもわかってくれたはずだ。妃奈子にめちゃくちゃ怒られたよ。千鶴のことちゃんとしろって……」

苦笑いを浮かべてどこか照れくさそうに話す。

「でも、妃奈子さんのこと……」

「あぁ、なんか誤解してるだろう？もう五年も前の話だぞ」
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