ヒールの折れたシンデレラ
そして目をつむる暇もなく、宗治の熱い唇が千鶴の唇をふさぐ。

「んっ……ふ」

下唇だけはなされた状態で宗治が呟く。

「返事はもちろんYESだろう?」

しかし千鶴が返事をしようとすると、すぐにキスが再開される。

耳の裏がしびれるほどの甘さに千鶴がくらくらする。

唇が少し離れたときに千鶴は宗治の肩に手を置いて自分との間に距離を作り真剣なまなざしを向けた。

「浮気しない?」

「あぁ、千鶴が毎日抱かせてくれるなら」

ふざけて言う宗治に千鶴が「もう」と頬を膨らませる。

「家事下手だけどいい?」

「あの弁当に入ってた卵焼きをつくれるならそれでいい」

「子供は三人ほしいの」

「五人でも十人でも。少子化対策に貢献しよう」

そこまで言うと千鶴は一呼吸ついた。
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