Rhapsody in Love 〜約束の場所〜



 形式的な儀式が終わった後、いつもの試合後の雰囲気が戻ってきた。勝って終わったので、空気は極めて和やかだ。


 そんな中で、二俣と遼太郎が、二人で何か話している。


――あの二人は、本当に仲がいいんだなぁ……。


と、みのりが微笑ましく思っていた時、


「みのりちゃーん!」


 二俣が観客席にいるみのりを見上げて声を上げた。
 ドキッ!として、みのりの思考が止まる。


「おーい!みのりちゃーん。みのりちゃんだろー?」


 片手を口横に当て、もう片方の手を振りながら二俣は、みのりを呼び続ける。きっと、返事をするまで止めないだろう。


 みのりは逃げ出そうかとも思ったが、思い直してすっくと立ち上がり、足早に観客席の階段を駆け、フィールドの際まで降りていった。


「しーっ!今日私はここにいちゃいけないんだから、そんなに大きな声で呼ばないで!」


 みのりが口に人差し指を当てて、慌てて言う。


「やっぱり、みのりちゃんかぁ!何でそんな格好してんの?」

「だって、箏曲部の部活、仮病使って外部講師の先生に任せてきたから。こんな所にいたらマズイでしょう!?だから、一応変装してきたの。」



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