Rhapsody in Love 〜約束の場所〜



 いずれにせよ、心の中にもやもやするものを抱え込んでしまって、朝の勉強は手に付かなかった。


 その日、 日本史の授業でみのりが教室に入ってきたとき、今朝のことを相談してみようかと、遼太郎の頭によぎった。

 しかし、直後に、


――ダメだ!先生には相談できない。


と、その考えを打ち消した。

 何故だか、遼太郎はみのりにこのことを知られたくなかった。

 仮にみのりに相談しても、「彼女がいたらよかったのにね」といつも言われているぐらいだから、付き合うことに前向きな意見を言われるに違いないと思った。


 かと言って、二俣には相談できない。小泉智香は二俣の彼女の友達だ。それに、どう見ても自分より恋愛に疎そうな衛藤に相談するのは、……論外だ。


 この〝問題〟は、自分ひとりで考えて、自分で結論を出さないといけない……。

 遼太郎はそう考えて、とりあえずこの問題を頭の中の脇の方へ追いやった。そして、今度の期末考査の範囲になっている授業に、集中することに努めた。



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