Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
何よりも、みのりの期待通りに今日の試合で無事に勝つことができ、次の試合に繋げられたことが、遼太郎を安堵させていた。
帰りのバスの中、遼太郎は勝利の後の爽快な感覚と、みのりの嬉しそうな笑顔の余韻に満たされ、心地よい眠りに落ちようとしていた。
左側の頬を背もたれに預け、まどろんでフワリとした感覚の中を漂う。不意に、これと同じような感覚を、どこかで味わった記憶があることに気がついた。
そして、突如として湧き上がってくる、みのりに鼻血の手当てをしてもらった時の感覚――。
みのりのあの胸に抱き寄せられ、腕と頬とで遼太郎の頭を包んでくれた。あたかも体ごと包み込んでくれるかのように……。
柔らかな丘を頬に感じ、耳には心地よい規則的な鼓動が響いた。『大丈夫』と、繰り返される深く穏やかな声。
遼太郎の手がみのりの腕を掴んだ時、二人の心は融けて混ざり合い、一つの心を共有していた。
その出来事を思い出した瞬間、遼太郎の体には震えが走り、叫び出したくなった。
以前、みのりを抱き締めた時のように、性的に興奮しているわけではない。その場で頭を抱え、歯を食い縛り、自分の中に起こった衝撃を、必死に自分で受け止めた。