Rhapsody in Love 〜約束の場所〜




 木曜日のみのりは、本来ならば初任者研修で県の研修施設へ出張するのだが、この日は研修がないので、いつも通り学校での勤務となった。


 と言っても、授業が入っていないので、みのりは一日職員室で来月に控えている研究授業の教材研究に没頭していた。

 校内の研究授業ではなく、県の指導主事が来るので、かなり真面目に取り組まないといけない。
 あまり時間がないことに気が付いたみのりは、いささか焦りも感じていた。


 資料を机中に広げ、傍らでお弁当を広げ昼食を取っていると、昼休み、遼太郎がみのりの机の横に立った。

 今日は授業もないので、本来遼太郎には会わないはずなのだが、こうやって1日1回は会わないと何だかしっくりこない。


「先生、今日は木曜日だけどいるんですね。実は、ちょっと頼みたいことが…。」


と言いながら、みのりの机の上をしげしげと見つめている。特にお弁当を。


「…まさか、お弁当ちょうだい…なんて、言うんじゃないでしょうね。」


 遼太郎の視線を感じて、みのりはちょっと身を引く。


「…違います!」


と、遼太郎は憤慨した素振りを見せたが、すぐに、


「…でも、美味しそうですね。」


と、本音を言った。



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