Rhapsody in Love 〜約束の場所〜




 事はこれで終わったわけではなく、実質これからの方が問題は大きい。
 母親になってしまったとはいえ、まだ17歳の吉長は、当然自分の力で育てられるはずがない。相手が誰なのか、という問題もある。


 学校は続けられるのだろうか、それとも中退せざるを得ないのだろうか…。
 これからの色んな不安が、みのりの中に渦巻き始めた。


 何よりも吉長の異変に気づきながらも、〝妊娠〟という事実に気が付かなかった自分の不甲斐なさを、みのりは自責した。

 もちろん、吉長も気が付かれないようにしていたわけだけど、それでも遼太郎を見守るように見ていてあげていたら、きっと気づけたはずだ。
 それに、何度も相談できる状況を作ってあげていても、吉長が打ち明けてくれなかったことに、みのりは自信をなくしていた。


 みのりはさすがに疲れ果て、しばらくすると考えることさえできなくなり、ただ列車の車窓を流れる遠い町の灯を眺めることしかできなかった。




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