Rhapsody in Love 〜約束の場所〜



「資料に目を通してみた?」


「はい。…いや、今日もらった分は、まだ全部は見てないです。日本史の授業の時、ついDVDを見てしまって…。」


 申し訳なさそうにする遼太郎を見て、みのりはようやく本来のように微笑んだ。


「つい見ちゃうほど面白かった?桶狭間の戦い。」


「はい。戦国時代の武将も、いろいろ戦略を練って戦ってたんだなぁ…って。」


「そうだね。本当に切れる刀を使って、生きるか死ぬかの戦いをするんだから、用意周到に計画したんだよね。そのために、どの大名も軍師を抱えてたりしたし…。桶狭間の戦いだって、信長の奇襲だって言われてたけど、実はそうじゃないって、研究が進んで分かってきたんだよね。」


 歴史を語るみのりの顔に、輝きが宿る。


――先生は本当に歴史が好きなんだな…。


 そんなみのりの顔を横目に見ながら、遼太郎はそう思った。


「先生は大学でそんな研究をしてたんですか?」


「ううん。専門は戦国時代じゃないの。あの辺の歴史は人間ドラマがたくさんあって面白いけどね。大学で研究してたのは、江戸時代の民衆の歴史。解読されてない古文書がたくさん残ってて、研究しなきゃいけないことが沢山あるの。」




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