Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
「スクラムもラインアウトも、すごく重要ですからね。」
「同じずんぐりガッシリしたヤツでも、不器用でどんくさいヤツは、フッカーの両隣でスクラムを組む、プロップになるんだ。(※)」
「へぇ〜!」
みのりは、さも感心したように、声をあげた。
「衛藤くんって、意外な一面があったわけですね。ところで、江口先生もガッシリしてますが、現役時代のポジションは何だったんですか?」
「俺か…?俺は…。」
と、江口は言いよどむ。
「俺は、不器用でどんくさい…プロップだよ!」
この江口の返答に、みのりは面白そうに口を歪め、声を立てて笑った。
それから江口は、あのラグビー部3人組に劣らぬ食べっぷりで、次々と並べられた料理を平らげていって、みのりを驚かせた。もちろん、ビールを飲む量も半端ではない。
現役でラグビーをやっているのならばともかく、代謝の落ちてくる30代後半でこれだけ食べれば、中年太りしちゃうよなぁ…と、みのりは思わざるを得なかった。
それでも、ずっとラグビーを専門に教えてきた江口の話は、とてもみのりの興味を引き、面白いものだった。
特に、ルールがどう変わってきたのか、それでゲームがどう変わってくるのかという話は、さすがに遼太郎にはできない分析で、知らないうちに引き込まれていく。まさに〝江口マジック〟だ。
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(※)江口先生の個人的な見解です。プロップの方が不器用でドンくさいと、ここで筆者が喧伝しているわけではありません。