Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
――こうやって狩野くんも、ラグビーに魅せられていったんだろうな…。
こうやって江口と話していても、みのりの意識は遼太郎へと飛んでいく。
目の前で料理を食べ、ラグビーの話をしているのが遼太郎だったら……。
江口には失礼だとは分かっていても、みのりはそう思わずにはいられなかった。
店を出ると、宵闇の空気は一層キーンと冷え込んでいた。その冷たい空気はイルミネーションの美しさを一段と際立たせていて、ひときわ背の高い木に飾り付けられた色とりどりの明かりたちに、みのりは凍えながらも目を奪われた。
「せっかくだから、もう一軒行こうか。」
という江口の誘いをどう断ろうかと、みのりが思い悩んでいると、江口はみのりの沈黙を肯定の意味にとり、みのりの手を取って歩き出した。
みのりは驚きに息を呑んで、言葉を発することさえできず、どうやってそれを拒否すればいいのか分からなかった。
大きくて肉感的な江口の手に、みのりの右手はすっぽりと覆われ、江口はそのまま自分の手と一緒に、みのりの手を自分のダウンのコートのポケットに押し込んだ。
ときめきなどとは程遠い、戸惑いがみのりの中には充満する。
「……仲松さん。」
「は……、はい。」