ナンパ男との恋~最終章~
デリカシーというものに欠けている輝樹は


「何、お前
俺の事好きなわけ?」



遠まわしに聞くどころか
直球で聞いている。



「え?ちがっ!?
そういうんじゃ・・・」



「あそ、ならいいんだけど。
俺、こいつ以外に興味ねぇから」



そう言いながら
私の方を指差すように
冷たく言い放ち



「だ、だから
そういうんじゃない・・・」



どんどん、か細い声になり
うつむいてきてる男性は


傷ついた表情をしていて・・・・



「春菜、トオル呼べ」


・・・去川さんを?


「うん、分かった・・・」


きっと、輝樹も
この男性の傷ついた顔に気づいていたんだろう。


去川さんに電話をかけ
その20分後には
去川さんは来てくれ・・・


そして、


「トオル。わりぃんだけど
こいつと遊んでやってくれねぇ?」


去川さんが来るなり
そう言うと


「いいよ。分かった。
食ってもいいんでしょ?」


「そりゃ、お前ら2人の
同意がありゃ好きにしろ。」


「同類だしね。ちょうど
俺も男いないし。」


「さすが直感で分かんだな?」


「そりゃね。んじゃ
連れて行くよ?」


「どうぞ」


「え?く、久保くん!?」


去川さんが引っ張るように連れて行こうとすると
その男性が、戸惑ったように
輝樹の方に顔を向け立ち止まった。
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