ナンパ男との恋~最終章~
結局・・・・


親に反抗という事はないけれど

世間から見たら

グレちゃった双子。

という現実のまま

中学という学生生活は

ようやく、今日 幕を下ろすわけだけど


問題は、その卒業式を
無事に乗り越えられるかという不安もあるわけで・・・



「輝樹、ほんとに行くの?」


のんびりとソファーに座り
テレビを観ている輝樹に
そう問いかけた。



「あ?卒業式か?
あぁ、行くぞ。
昔、約束したしな」



約束・・・ほんとに

ちゃんと覚えてたんだ。


遡る事、小学校の卒業式前日。


「え~・・・明日
輝ちゃん来ないの?」


春樹が今にも泣きそうな顔で
輝樹の前に座り込んだ。



「あぁ、行きてぇんだけど
仕事がな・・・・」


「少しくらい休んじゃダメなの?」


「撮影とかなら、そりゃ
断れるけど
大工ん仕事は、俺の本職だし
俺がいねぇと進まねぇから・・・
そうだ、
その代わり、中学は
何が何でも出っから!」


春樹の機嫌をとるように
そんな提案をすると、



「絶対だよ?約束ね?」


輝樹の、その言葉に
一気に機嫌が直っている春樹がいる。



「あぁ、約束な」


厳密に言えば
春樹と輝樹の約束なんだけどさ。





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