ナンパ男との恋~最終章~

男の企み

「春ちゃん、やっと帰ってきたー
もうー、何十回電話しても
輝ちゃんも春ちゃんも出ないから
すっげぇ心配してたんだよ!?」


家の中に入るなり
春樹が慌てた様子で玄関に走ってきた。


そして、


「で、春さん
どこのバカ男と浮気したの?」


春樹の後から
不機嫌な様子で広樹が
そう言いながら私の顔を見ている。


「マザコンども
出迎えご苦労ー」


そんな空気をぶち壊すように
輝樹が私の後から顔を出し


「「マゾコンじゃねぇしっ」」


見事に2人揃って
そう言い返している。


「マザコンだろ?
つーか、お前ら勘違いしてっけど
こいつは、俺の。
お前らのじゃねぇからな?」


そう言いながら
後から私の頭に手を乗せているわけで・・・


案の定・・・



「春ちゃんは物じゃないし!」

「輝ちゃん、ちょっと大人になった方がいいって・・・」


言い返されてるし。


「はいはい、ガキどもの声は俺には聞こえませーん。
さーてと、俺は寝るわ。
春菜、夕方になったら起こして」


「あ、うん」


そのまま寝室の中へ入っていく輝樹を見ながら


「春ちゃん、大丈夫だった?」


心配そうな春樹に

「あんだけ独占欲あると
春さんも、大変だねー」

呆れ気味の広樹がため息をついている。
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