ナンパ男との恋~最終章~
「俺も寝ようっと。
春樹がギャーギャー騒ぐから
寝てらんなかったし」


「俺そんな騒いでねぇじゃん」


「電話に出ないって
すっげぇ騒いでたし」


「広樹だって、探しに行こうとしてたじゃんかよ」


「うっせぇ、ばーか」


そう捨て台詞を吐き捨て
自分の部屋へ帰っていってしまう広樹。


「春ちゃん、中入らないの?」


中に入るのも忘れ
玄関で立ち止まったままの私に
不思議そうな表情で春樹が見ている。


「え、あ、入るよ。
ごめんごめん」


ソファーに大きく座り込み
テレビをつけると


「大丈夫だった?」


心配そうにそう言いながら
隣に座る春樹がいる。



「大丈夫だよ。春樹
ありがとう」


「いや、俺は何も・・・」


「今回のは私が悪いから・・・
迷惑かけちゃってゴメンね」


「春ちゃんの事だから
危機感が足りなかっただけなんじゃないの?」


さすが我が息子・・・

何という鋭さなんだろう。
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