ナンパ男との恋~最終章~
ナンパ
本日、土曜日の夜は
遊び盛りの息子達がお出かけモード全開の様子で・・・


「何だよ、お前ら
またナンパか?」


お風呂上りの輝樹が
そんな春樹達を見ながら
呆れたように言っている。


「暇だし、たまには
兄弟で回ってみようかと思って」


素直に育ってくれたのか
バカ正直にそう答える春樹。


「変な女に手出すなよ?」


「あーうん、それは分かってるけど・・・」


「初対面での言葉が絶対
双子!?って言われるのが
春樹と回る欠点なんだよね。」


「そっくりそのまま広樹に返すし」


そもそも兄弟でナンパに回る事がいけないんだと思うんだけど。


「俺に似てっから
断られる事ねぇだろうが?」


得意気にそう言っている輝樹は

やはり普通の父親とは若干違う気する。



「輝ちゃんもナンパ行ってたんでしょ?」


「んー?俺がナンパ?
行くわけねぇだろうが」


いやいや、出会ったのナンパだし。

っていうか、ナンパしまくってたじゃんか。

鮮明に思い出すんですが。


「はいはい、つーかさ・・
言ったら悪いけど
輝ちゃん有名だよ?」


「は?何で俺が有名?」


「モデルの輝樹がナンパ回りまくってたって。
しかも、有名なヤンキーだったって?
おかげで俺ら、すっごい屈辱的な事言われた事あるんだよね。」


「屈辱的?何だそれ?」


「輝ちゃんと似てるけど、ファンなの?ってさ」


「くっ、アハハマジでか?そりゃ傑作だわ。
息子っていう可能性は
完全に想定外なんだな。ハハハ」


「笑い事じゃないって。
あん時は、さすがにイラついたから
ファンだからそっくりに整形したって言ってやったんだけど」


「そうか、広樹は
俺のファンだったのか。
そりゃ気づいてやれねぇで悪かったな」


「だから、ファンじゃねぇって!」


ほんと、似た者同士なんだから・・・



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