ナンパ男との恋~最終章~
そのまま室内へ突き進み

1つ1つの扉を開けていき・・・


「いた・・・・何してんの?」


壁にもたれかかり
布団の上に座ったまま
考え込んでいる輝樹の姿がある。


「分かんね・・・・」


「何?どういう意味?」


「記憶ぶっ飛んでる・・」


「な・・・え?
何でここにいるのかとか・・・」


「覚えてねぇ・・・」


最悪だ・・・。


本気で最悪だ。


私の背後に立つ女性の方を振り向き



「あの、何でここに・・・」


「そこの廊下で座り込んでたから・・・」


「介抱して下さったんですか?
すいません・・・ありがとうございます」


「いえ・・・そんな・・・」


「失礼な事聞いて気を悪くしたらすいません。
あの、何も・・ないですよね?」


「それは・・その・・」



輝樹の首筋にキスマークがある。


そう、本気で最悪な現実だ。


昨夜、出かける前はなかった。

でも、今はある。

ここで何かあったんじゃないかって思ってしまうのは

自然の事であり・・・・


「輝樹、全然記憶ないの?」


どこに怒りをぶつけていいのか分からない。
< 223 / 233 >

この作品をシェア

pagetop