ナンパ男との恋~最終章~
「微妙に記憶があるとこも・・・」


「この女性と、何かあった?」


「・・・たぶん」



「何したの?」


「キスした記憶はある」



頭が真っ白になった。


言葉すら出てこない。


今、自分がどんな表情を浮かべているのかすらも分からない。


けれど・・・・


「ごめん、先帰る・・・」


「え!?は、春ちゃん!?」


輝樹の顔が見れなかった。

女性の顔も、もう見れない。


結婚して、子供も成長して・・・


それでも、ずっとずっと

こんな日が来るんじゃないかって

ビクビクしてた。


いつか、私じゃない他の人を

本気で好きになって


捨てられちゃうんじゃないかって・・・


年齢を重ねるごとに

その不安は増している。


だからこそ


昔は当たり前だった

浮気というものも

今では、恐怖そのものでしかなく


いざ直面してしまってる今現在は

どう乗り切ればいいのか分からないんだ。


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