ナンパ男との恋~最終章~
「まさか
こんなことになるなんて・・
ごめんなさい・・・」

「写真消して下さいね?」

「何で・・・写真・・
分かったんですか?」

「好きな人が隣にいたら
形として残したいって
たぶん、私も思うから」



「・・・ごめんなさい。
ちゃんと、消します・・」


「あなたを信じますね。
それじゃ・・・お邪魔しました」



泣きそうな表情の女性を見ていたら

何だか・・・

これ以上、責める気にはなれなかった。


もしも、私が
あの女性の立場だったら・・・


私も、きっと

同じ事をしているかもしれない。


そう考えたら・・・・



「ただいま・・・」


「春さん!?輝ちゃんっ!!
春さん帰ってきた!」


広樹の大きな声で

奥のリビングから輝樹が珍しく慌てた様子で走ってきている。


「あーもうっ!クソっ
携帯も財布も全部置いて行ってるし
勝手にいなくなんなって言っただろうが」


そう言いながら
強い力で抱きしめられているわけで・・・


「ちょっ・・・
苦しい・・んだけど」


家に上がる間もないほどに
私の顔は輝樹の体に潰されそうなほど勢い良く抱きしめられ


「・・・マジで勘弁してくれよ」


強く抱きしめる力はまったく緩む事なく
よりいっそう力がこもる腕に
俺様な輝樹は一体どこに行ったんだろうなんて思うほど
弱々しくも感じる。


「うん・・・ごめん。」


「絶対、逃がさねぇからな。
逃がすくらいなら
鍵かけて閉じ込めてやる」


「物騒な事言うんだから・・
っていうか逃げないってば。
逃げるわけないじゃん」


「俺は・・・女は
春菜だけしかいらねぇから。」


「うん・・・知ってる。
私もおんなじだから」


こんな輝樹を見れるのは
私だけ・・・

そう、私だけの輝樹。

絶対、何があっても
手離してなんてあげない。

初めてから終わりまで

ずっと・・・ずっと永遠にね。


    END
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