ナンパ男との恋~最終章~
「お前ら誰?」


相変わらず、冷めた態度だけど・・。


「も~!昨夜一緒に飲んだじゃん。
私プレゼントに時計あげてたのに
何でつけてないの~?
あれ高かったんだよ」


昨夜って事は・・・

ホスト代理で行った店?

でも・・

プレゼント?


ホスト君の為に買ってきたけど
輝樹がいたからあげたとか・・

でも、高いのを
あげるつもりじゃないホスト代理の輝樹にあげるんだろうか・・・




「俺、時計なんてしねぇし?」


「え?うそ!?
でも、前 雑誌で
あの時計ブランド好きって
書いてあったじゃん」


「んなもん、社交辞令に決まってんじゃねぇか」


「えー・・・せっかく
輝樹の為に選んで奮発したのに・・・
あの時計どうしたの?」


輝樹の為に?


あれ・・・やっぱりおかしい。


「他の奴にやった」

「うそ!?最低~っ!!」

「使う奴にやらねぇと
意味ねぇだろ」


「・・・そうだけど。
ショック大きいんだけどー
で。で、また店出るの?」


「出るわけねぇだろ」


「なーんだ。正人が辞めた代わりに入ったんじゃないかって
私達の中で、もっぱらの噂だったんだよ」


そんな言葉が女性から出た時
私の方を、気まずそうに
ふと目を向けた輝樹の様子で

何となく・・・

輝樹が昨夜の事を
話したがらないのが
分かった気がした。








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