ナンパ男との恋~最終章~
周りがざわついている中

まだ話しの途中の校長先生の元へ
一人の先生らしき人が駆け寄り
耳打ちをすると



「すいません、話の途中で失礼します。
1年1組の久保春樹くんと
1年1組の田中まさしくんのご両親はおられますでしょうか?
もし、いられましたら
お手数ですが、保健室まで来ていただけますようにお願いします」



そんな言葉が
マイクを通じ、体育館中に響き渡った。



・・・やっぱり春樹だったんだ。



「え~・・それでは・・・
話に戻させていただきますが・・」


校長先生の話が続く中
人の列を抜けながら
体育館の出口へ向かうと


「久保春樹くんのお母様ですか?」


出口で、先生らしき人が
待っていた。


「あ、はい。すいません。
あの・・・何か、あったのでしょうか?」


「わざわざ申し訳ありません・・・
横に座っていた男の子と
ちょっとあったみたいでして・・」


そう言いながら、足早に保健室へ向かっているけれど・・・

広樹なら
ちょっと気が強くてヤンチャな性格でもあるから
こういう事があったとしても
何となく分かるんだけど・・・


何が何だか分からないまま
保健室の扉を大きく開け
中へ入ると

大泣きしている男の子に、その両親
厳しい表情のままの春樹
先生らしき人が2人座り

異次元のように静かすぎる空気が漂っている。





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