地上182センチメートルを、キミと。
「………………え??」
繭がその大きな瞳を見開いた。
「………………ゴメン」
「…………………なんで??」
繭の目に涙が溜まっているのが分かった。
「オレが自分勝手なだけ。 オレ、可愛い繭が好きだった。 繭にはいつでも可愛くいて欲しかった。 ………………繭、なんでオレが小春と2人だけで遊んでも怒んないの??」
「…………………だって、小春は友達だから」
「オレが小春に手出すとは思わなかった??」
「ワタシ、比呂の事信じてるもん!!」
………………なんて可愛い顔で嘘を吐くんだ、繭は。
やっぱりオレは、ちゃんと繭が好きだったんだ。
だから、繭の嘘が分かるのが切ない。
「『小春なら問題ない』って思わなかった??」
「そんな事ない!!」
ムキになる繭も可愛い。
可愛いのに、可愛くない。
「背が小さくて、繭くらい可愛いコとオレが2人で遊んだとしても、それでも繭はオレを信じる??」
「……………………信じる!!」
即答じゃなかった。
繭は、答える前に一瞬考えた。
良かった。 繭が正直者の嘘つきで。
可愛くないけど、やっぱり繭は可愛い。